天狗の鼻は2mだった。「強がらない」を今年の目標にした木村さんの不安|Kimura’s Work #5「仕事 × 不安」 part1

天狗の鼻は2mだった。「強がらない」を今年の目標にした木村さんの不安|Kimura’s Work #5「仕事 × 不安」 part1 podcast

いつも好奇心で楽しそうに前へ進んでいるように見える木村修平さん。でも実は「頑張って見せていた」と言います。第5回のテーマは「仕事 × 不安」。

次々と出てくる新しいAIツール、わからないことが多すぎる不安。小さなコミュニティで天狗になっていた自分に気づいたこと。今年の目標「強がらない」、そして長い目で見た孤独への不安まで、木村さんの素直な胸のうちを聞きました。

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この回の話題

時間話題
00:01今日のテーマは「仕事 × 不安」
01:01楽しそうに見えて、頑張って見せていた
02:08わからないことが多すぎて、しんどい
03:10今年に入って、不安が強くなった
04:13すぐ後ろに迫った2位の人
05:14天狗の鼻は、実は2mあった
06:21わからないことは、わからないと言う
07:26今年の目標は「強がらない」
08:29キャラをつくると、戻せなくなる
09:38シャンパンを開けるくらいの見栄はいい
10:45輪の外から見て笑っているタイプ
11:46このまま突っ走ったら、孤独で死ぬ
12:52仕事ならいけるのに、プライベートは難しい
15:03自分と向き合いたくないから、予定で埋める
16:04向き合うために、ひとりで旅に出る
17:081日1回は、誰かと会話する

わからないことが、多すぎる

新しいAIツールが出ると「面白そう」と手当たり次第に試してみる。好奇心は今もある。でも、あまりにも多すぎる。抽象化すれば同じでも、細かい違いを「調べなければならない」という気持ちが強くなり、最初は楽しかった「知ること」が、わからないことが多すぎる状況では不安でしんどいものに変わっていったといいます。

一方で、「全然わからんやん」という今の自分の状況を知れたことは、とてもいいこと。周りを見れば、自分がわからないことを使いこなしている人がいて、さらっと「これでできるよ」と言われるとドキッとする。見逃したくない、ついていかないと、という不安もあります。

天狗の鼻は、2mだった

不安が強くなったのは、今年に入ってから。きっかけは、職場のチームという小さなコミュニティの中で、AIなどの分野でトップを走っていた木村さんのすぐ後ろに、それまで苦手だった人が、少し学んだだけで迫ってきたことでした。

「これはやばい」。小さなコミュニティで天狗になっていたことに、なんとなく気づいてはいた。外の環境を見て、自分の立ち位置を確かめてみたら、すごい人がいっぱいいた。1mくらいだと思っていた天狗の鼻は、実は2mくらいあった、と木村さんは笑います。見たくないけれど、見えてしまう。不安と危機感が大きかったからこそ、認めることができたそうです。

今年の目標は「強がらない」

そこで考え方をがらりと変えました。天狗になろうとするのをやめて、強がらず、わからないことはわからないと言える人間になろう、と。これまでは自分が情報を発信して共有する側でしたが、すぐ後ろに来た年上の関西人の同僚に、「どうやってそこまで来られたんですか」とちゃんと聞くようにしたのです。

実はこの変化は、急なマインドチェンジではありませんでした。年明けに立てた今年の目標が「強がらない、見栄を張らない、わからないことはわからないと言う」。2位の人が迫ってきたタイミングで、「そういえば今年の抱負はそれだった」と思い出したのだそうです。

キャラをつくると、戻せなくなる

トップでいるのは、最初はとても居心地がよかった。でも、そのキャラをつくってしまうと変えられないし、元に戻すほうがストレスになる。以前話していた「忙しいと口に出すのがかっこいい」と同じ根っこかもしれません。

強がりや見栄は今も残っていて、「この前大阪に帰ったときは、普通にシャンパンを開けてました」と木村さん。でも、それくらいのかわいげのある見栄はいい、いじってもらえばいい、とGALATAのふたり。

輪の外から見て、笑っているタイプ

木村さんは、物事を俯瞰して見るのが好きなタイプ。人の輪に入らず、外から「あのグループはこういう背景で」と見ているような。客観的に見ると仲良くなりにくいし、上から目線にも見える。学生のころからお金を稼いでいて、「お前らと同じ空気は吸いたくない」と言っていたこともあったとか。自分でも嫌なやつだと思っていて、ずっと変えたかったそうです。

このまま突っ走ったら、孤独で死ぬ

その根っこにも、不安があります。そのまま突っ走るのもいい。でも、人間は社会的な生き物で、コミュニティや人のつながりがないとダメ。それがなくなったら、きっとすごく辛い。「孤独で死ぬなと思って」。だから、苦手なりに輪の中に入っていこうとしています。

仕事なら、目的が決まっているのでうまくできる。お客さんを喜ばせるためにチームが一丸となる、という土台があるから。でも、プライベートになると全然ダメ。リモートワークの仕事は物理的に遠いので気にならないけれど、毎日会うような身近な人だと、考えることが増えてしまうのだそうです。

自分と向き合いたくないから、予定で埋める

計画的に、順調にすべてをコントロールしているように見えた木村さん。でも、自分と向き合わないといけないとわかっていながら、向き合いたくない。だから毎日をスケジュールで埋めて、忙しくする。目の前のことに追われていれば、本当に大事なところに目を向けなくて済むから。「逃げてるんですよ、僕」。

パソコンを閉じたとき、大事なことをずっとスキップしている自分に気づく。そんなときは、ひとりで旅行に行くそうです。海外など物理的に遠いところへ。飛行機の中で何もすることがないと、「俺、何したかったんだっけ」と考えられる。孤独が不安の根っこなのに、孤独な環境に行く、というのも面白いところです。

1日1回は、誰かと会話する

根本にあるのは、寂しさ。ひとりでいるのは楽だけれど、そこは乗り越えなければならないところだと捉えていて、この1か月ほどは、1日1回は誰かに会いに行き、会話するようにしているそうです。カフェでも、飲み屋でも。お金は飛ぶようになくなるけれど、「人間っぽくなってきた」と自分でも感じています。まだ試行錯誤の途中です。AIと不安の関係については、part2に続きます。

印象に残った一言

目の前のことに追われるような日常にすると、本当に大事なところに目を向けなくて済むじゃないですか。逃げてるんですよ、僕。

前後の回

出演者

  • 木村修平:webコンサルタント。平日は広告代理店、休日は効率化支援。2か月に1回は海外へ
  • はな & 隆志:移動販売の珈琲屋「GALATA COFFEE」を夫婦で営む。ウルトラFM「サンライズすかがわ」月曜パーソナリティ