下書きなしで、直接描く。実験の展示と、街で増えていく「ポセミン知ってる」|腐るラジオ #15「2度目の猪苗代展示にむけて腐る(後編)」

下書きなしで、直接描く。実験の展示と、街で増えていく「ポセミン知ってる」|腐るラジオ #15「2度目の猪苗代展示にむけて腐る(後編)」 podcast

猪苗代「空白」での個展に向けた話の後編です。新しいことに挑戦したい気持ちと、前回の展示が好きだった人に受け入れてもらえるかという怖さ。その間で、松本悠以さんはあえて「下書きなし」を選びました。

作品をつくる人ならではの、見る人の反応へのドキドキ。2年前と比べて、松本さんのいない場所でもポセミンを知っている人が増えてきたこと。そして9月の芸術祭の告知まで聞きました。

この回の話題

時間話題
00:012年前も、新しい挑戦だった
01:04受け入れてもらえるか、怖さもある
02:04筋力がなくて、瓶のふたが開かない
03:09描き始めると、構想は全然変わる
04:13あえて下書きなしで、直接描く
05:131か月の間に、展示が変わることも
06:14参加型のお絵かきコーナーも?
07:16体調は、顔色でわかる
08:18見る人の反応は、やっぱり気になる
09:18カフェでコーヒーを出すときと同じ
10:25街で「ポセミン」と声をかけられるように
11:319月5日・6日、国見町の芸術祭に出展
12:36シェアアトリエの3人がそろう
14:00実験みたいな展示も楽しんでほしい

受け入れてもらえるか、という怖さ

2年前の空白での個展は、初めてアクリル絵の具を使って描いた展示でした。空白は、松本さんにとってチャレンジの場。「前回と同じじゃん」とは思われたくない。でも、前回の雰囲気が好きだった人からしたら、受け入れてもらえるのか。その怖さもあるといいます。

それでも挑戦しやすいのは、店長のりかさんが、松本さんが福島に来てすぐのころからの知り合いで、相談に乗ってくれるから。挑戦しやすい空気をつくってもらっている、と松本さん。

最近の悩みは、筋力のなさ。自分が「重い」と思ったものを、ほかの人はひょいと運んでいく。ポセミンカフェでは、瓶のふたが開かずにお客さんに頼んだこともあるとか。

あえて、下書きなしで

「MIX MIX MIX」というテーマは決まっていても、描き始めると構想は全然変わる。これまでアクリルで描くときは、iPadでしっかり下書きをつくっていましたが、今回はあえて、下書きなしで直接描いています。

下書きというクッションをなくした分、そのときの気持ちが直接出る。手のぶれも楽しんでほしい、と松本さん。リハーサルをすると言葉に乗る思いが弱くなる、ポッドキャストの収録と同じかもしれない、とGALATAのふたりも納得します。完成度を求めるときは下書きがいいけれど、今回は実験的にしたい。ふだんなら「これは個展には持っていかない」という作品も、持っていくつもりです。

1か月の間に、展示が変わる

前回は、会期中に展示が変わり、何度も足を運んだ人が多かったそう。来た人が自分なりのポセミンを描いて置いていくコーナーも、子どもたちが楽しそうにしていました。空白はゆっくり過ごせる空間なので、今回もそういう参加型の企画を考えてみては、とGALATAのふたりから提案も。

体調管理も大切。去年はずっと体調を崩していたけれど、今年はまだ少ししか崩していないとか。松本さんは調子が悪いと顔色が土色に、ときには緑っぽくなるので、見た目でわかるのだそうです。

見る人の反応は、やっぱり気になる

好きな歌手のライブでCDと違う歌い方をされると、ちょっと戸惑う。そんなギャップもあるかもしれない。それでも、自分が描きたいものを描き続けたいから、ある程度は気にせず進みたい。

その気持ちは、コーヒーを出すGALATAのふたりにもよくわかるもの。お客さんが飲み残していないか、つい気になる。逆にすぐに飲み干されると、もう少し味わってほしくなる。作り手は、いつも気難しいのです。

街で増えていく「ポセミン知ってる」

2年前と比べると、ポセミンを知って来てくれる人は確実に増えているはず。ポセミンまつりの音楽劇が楽しかったのか、最近は街を歩いていると子どもたちに「ポセミン」と声をかけられるそうです。松本さんを知らないのにポセミンは知っている、という人に出会うことも。窓に描かれたポセミンや、誰かがつけているキーホルダー、Instagram。松本さんのいない場所で、ポセミンが広がり始めています。

9月は、国見町の芸術祭へ

空白での個展のあと、9月5日・6日には、福島県国見町で開かれる芸術祭に出展します。今回が3回目の芸術祭で、公募を通っての参加。やむちゃんは第1回から、しこちゃんは第2回から参加していて、ずっと気になっていたそうです。3人とも会場の建物は別々。古民家などに入りながら、街を歩いて楽しめる芸術祭です。

最後に、個展に来てくれる人へのメッセージを。「ポセミンという同じキャラクターをずっと描いていますが、その中でも進化を続けていきたいと思っています。実験みたいな展示も、楽しんで見てもらえたらうれしいです」。土日を中心に在廊予定です。

印象に残った一言

下書きを書く段階をなくした分、そのときの気持ちが直で出るっていうか。手のぶれも楽しんでほしいんです。

前後の回

出演者

  • 松本悠以:アーティスト、作家、畑の仕事をする人。「循環」「腐る喜び」をテーマに、ポセミンが登場する作品をつくる。Instagram
  • はな & 隆志:移動販売の珈琲屋「GALATA COFFEE」を夫婦で営む。ウルトラFM「サンライズすかがわ」月曜パーソナリティ