準備は何か月、本番は1日。「ポセミンまつり」を終えて|腐るラジオ #12「ポセミンまつり当日で腐る(前編)」

準備は何か月、本番は1日。「ポセミンまつり」を終えて|腐るラジオ #12「ポセミンまつり当日で腐る(前編)」 podcast

6月13日(土)、須賀川のラフラフ須賀川で開いた「ポセミンまつり」が、無事に終わりました。松本悠以さんにとって初めての主催イベント。収録は、それから1週間もたたないころです。

自分史上最悪のコンディションで迎えた当日、何か月もかけた準備がたった1日で過ぎていく不思議な感覚、そして「人に頼る」ことの大切さ。好評だった音楽紙芝居の舞台裏や、5年後の20周年への夢まで聞きました。

この回の話題

時間話題
00:01ポセミンまつり、無事に終了
01:0110時の開場から、お客さんがたくさん
02:05当日の朝、急に不安が襲ってきた
03:05自分史上最悪のコンディション、顔が土色に
04:05準備は長く、本番は1日
06:16淡々と過ぎていく、瞑想のような感覚
07:29自分がいちばん楽しいかを大事にしたい
09:45手伝ってくれたみなさんに感謝
10:49全部のコラボ商品に関わったから、ひとつにまとまった
11:55「助けて」と言うことの大切さ
12:56次は20周年?
14:00次は原画の展示もしたい
15:01初挑戦の音楽紙芝居
17:02時間が決まった企画が、人を呼ぶ
18:04大学時代の企画づくりの経験が生きた
19:04大玉カレーさんのサプライズ

ポセミンまつり、無事に終了

フロアを貸し切り、食べ物、飲み物、アクセサリー、クッキーなど9店舗が集まったポセミンまつり。午前と午後には音楽紙芝居も上演しました。

外でキッチンカーを出していたGALATAのふたりからは、人の出入りがよく見えたそうです。10時の開場時にはもうお店の前にお客さんがたくさん。幅広い年齢の、男性も女性も。土曜の朝は出足が遅いことが多い中で、始まってすぐにこれだけ来てくれれば十分、という盛況ぶりでした。

主催の松本さんは、開場2分前まで「やばいやばい」と準備に追われ、まわりを見る余裕もなかったとか。できる限りの宣伝はしたつもりでも、当日の朝になると「お客さん来てくれなかったらどうしよう」と急に不安が襲ってきたそうです。

顔が「土色」に

当日のコンディションは、自分史上最悪。松本さんは調子が悪いと、顔が土の色になるのだそうです。大学のころからずっとそう言われてきたとか。準備を手伝っていたはなも、日を追うごとに顔色が土に近づいていくのを見ていました。「でも、栄養のない土だった気がする」。

準備は何か月、本番は1日

個展なら1週間や1か月と会期があり、ほとんどは自分ひとりのこと。でも今回は1日だけ。人を巻き込み、しかも「コラボまつり」と掲げて、内容は盛りだくさん。8店舗とのコラボ商品に、15年前のポセミンの商品も加えて、9つの新しい商品を準備してきました。

それが、1日で終わる。1日がこんなにも淡々と過ぎていくのかと、不思議な感情になったそうです。寂しさとも違う、瞑想のような「無」の感じ。責任を持とうとする自分と、主催であることを忘れて楽しんでいる自分。ほとんどのお客さんがポセミンのために来てくれたことにも、当日になって驚いたといいます。

自分がいちばん楽しいかを大事にしたい

それでも、怖さよりも楽しみがいちばん大きかった。誰かのために、という気持ちも大事だけれど、松本さんは自分がいちばん楽しいかどうかを大事にしたい。準備中も無意識に「楽しみだな」と口にしていて、その楽しい気持ちに忠実でいられたイベントだったと話します。

「助けて」と言うこと

準備が終わらず、はなに連絡して来てもらったことも。差し入れを持ってきてくれた人もいました。3日前には、何も考えずにアルバイトを入れてしまっていたそうです。

学んだのは、人に頼ること、「助けてください」と言うことの大切さ。あのとき言わなかったら、顔色はもっと土に近づいていたかもしれません。

ただ集まって同時に開くのではなく、松本さんが中心になって、すべての店舗とのコラボ商品をデザインした。だからこそ、イベントがひとつにまとまったのだと思う、とはな。いちばん大変な道だったかもしれませんが、展示やワークショップ、アルバイトが重なる中でやりきりました。

次は、20周年?

完全にやりきった、ではないけれど、「よかった」と思えた。次にやるとしたら20周年。会場はもう少し大きくなるかもしれないし、紙芝居ではなく短編の動画を用意できたらうれしい。今回はマルシェ形式だったので、次は原画を展示するスペースもつくりたいそうです。「東京ドームでポセミンまつり」という夢も飛び出しました。

初挑戦の音楽紙芝居

初めての挑戦だった音楽紙芝居は、マリンバのあんちゃんと一緒に。最初は「マリンバのバチにポセミンをつける?」なんて案も出ていたのが、話し合ううちに音楽劇をやろう、ということになりました。

ポセミンたちが、練習した打楽器を1匹ずつ披露するシーン。ところが嵐で楽器が飛ばされ、ペットボトルやハンガーなど、身の回りのもので代用することに。身近なものから音が出る、音楽の楽しみ方はいろいろある、というあんちゃんから教わったことを、物語にも入れました。楽器のことはほとんどあんちゃんが考えてくれて、練習は3回ほど。

上演の時間になると、会場の外から人がいなくなるほど、みんなが音楽劇のほうへ。時間に合わせて来てくれたお客さんもいました。決まった時間の体験型の企画があると、来る目的になる。やってみて気づいたことでした。

大学時代の経験が生きた

こうしたイベントづくりは、実は大学時代に学んでいたと松本さんは振り返ります。所属していた学生の委員会で、新入生向けのキャンパスツアーを企画・実行していたのです。参加する人のことを考えながら空間をつくる。個展などを重ねるうちに、主催することのハードルも下がっていきました。

当日はサプライズも。大玉カレーさんの福神漬けの大根が、ピンクのポセミンの形になっていたのです。色の濃いのから薄いのまでたくさん。それだけで、ふつうのカレーがポセミンカレーになりました。まつりを終えて見えてきたことは、後編に続きます。

印象に残った一言

誰かのためにっていう気持ちも大事だと思うんですけど、自分は、自分がいちばん楽しいかどうかを大事にしたいんです。

前後の回

出演者

  • 松本悠以:アーティスト、作家、畑の仕事をする人。「循環」「腐る喜び」をテーマに、ポセミンが登場する作品をつくる。Instagram
  • はな & 隆志:移動販売の珈琲屋「GALATA COFFEE」を夫婦で営む。ウルトラFM「サンライズすかがわ」月曜パーソナリティ