猪苗代の空気の色と、19のポセミン。作家と一緒につくるギャラリー|腐るラジオ #17「KUUHAKU店長 りかさんと腐る(part2)」

猪苗代の空気の色と、19のポセミン。作家と一緒につくるギャラリー|腐るラジオ #17「KUUHAKU店長 りかさんと腐る(part2)」 podcast

KUUHAKUの店長・りかさんを迎えたゲスト回の2回目です。2年前の個展と今回の個展、りかさんから見た松本悠以さんの変化は。そして開催中の個展「MIX MIX MIX」の見どころを、作品を前にして聞きました。

猪苗代を歩いて感じた空気の色、19か所の景色を描いたポセミン、どんどん増えていく塗り絵。作家と一緒に空間をつくっていく、KUUHAKUというギャラリーの魅力も見えてきます。

この回の話題

時間話題
00:01りかさんから見た、2年間の変化
01:07キャプションと、増えた立体作品
02:08立体ポセミンと猪苗代で撮影
03:17表の壁は、移住の経験を描いた絵本とライブペイント
04:18裏の壁は、猪苗代で感じた空気の色
05:2219か所の景色と、絵日記
06:25塗り絵は天井から吊るす
07:25作家と一緒につくるギャラリー
08:328月22日・23日、グッドソングマーケット
10:32まだ少し土色の顔
12:32実験の中から生まれたシリーズ
13:34雨と曇りの日の、神秘的な磐梯山
14:3619枚は、感覚で
15:42タイトルは緯度と経度
16:50オレンジは、夕日ではなく道端の花
17:57どのポセミンが好き?

りかさんから見た、2年間の変化

松本さんは常に変化している、とりかさん。感じたことを絵に落とし込んだり、文章にしたりできる人で、絵だけではない。りかさんは、作品に添えられたキャプションも大好きなのだそうです。

立体作品もずいぶん増えました。2年前の個展では、立体のポセミンは首がゆらゆらしていて、子どもたちにもみくちゃにされてとどめを刺されてしまったとか。今は丈夫になって、商品としても販売しています。最近は、東京から来てもらったカメラマンと、立体ポセミンを連れて猪苗代周辺で写真や動画を撮影。会期中にプロジェクターで流せたら、と話していました。

個展「MIX MIX MIX」の見どころ

表の壁:移住の経験を描いた絵本と、ライブペイント

展示は、壁の表と裏で種類が違います。片方の壁には、松本さんが移住してきたときの経験を絵本のような物語にした作品。その壁には、会期初日から3日間ほどかけてライブペイントもしました。たくさんの人が来てくれて、久しぶりの人とも話しながらだったので、なかなか進まなかったけれど、それもうれしい時間でした。

裏の壁:猪苗代で感じた空気の色

裏側の壁には、猪苗代をテーマにした作品が並びます。背景の色は、すべて統一。猪苗代を歩いたときに感じた空気の色です。雨が降ったり止んだり、晴れたりどんよりしたり、夏なのかよくわからない今年の夏の空気。明るくも暗くもない、グレーがかった薄い青緑のような色になりました。

作品は2種類。ひとつは、猪苗代で気になった19か所を写真に撮り、それを抽象的にしてポセミンのシルエットの中に描いたシリーズ。もうひとつは、まち歩きで感じたことを絵日記のように描いた作品です。

塗り絵は、天井から

塗り絵コーナーも人気です。塗って置いていってくれる人が増え、飾る場所が足りなくなってきたので、りかさんの「もう吊るしちゃおう」で、天井から吊るすことに。2年前も、松本さんの「ジャングル」という言葉に合わせて、植物を集めて天井をジャングルにしてくれたそうです。

作家と一緒につくるギャラリー

「この作家さんにはこの感じがいけるかも」と、りかさんはいつもフィーリングで、やれる範囲で空間を調整していきます。真っ白で冷たい空間に作品だけを並べるギャラリーもいいけれど、KUUHAKUは、作家と一緒につくってくれる場所。いい意味で、ギャラリー感が強くない、と松本さん。

特に松本さんの展示は、ポセミンを知らない人でも、子どもでも入りやすい。子どもが喜べば大人もうれしい。塗り絵で楽しく過ごせて、でも作品をじっくり見たい人も集中できるように。お客さんの流れを見ながら、毎回試行錯誤しているそうです。収録の前日も、大人も子どももずっと誰かがいて、席が空かないほどでした。

8月22日・23日 グッドソングマーケット

KUUHAKUでは、月1回ほどのペースで「グッドソングマーケット」というイベントを開いています。大きなイベントというより、なんでもない週末に少しハミングがあふれるようなイベント。8月22日・23日の回では、ポセミンまつりで好評だった、打楽器奏者のあんちゃん(安藤えりさん)との音楽劇をもう一度上演する予定でした。夏休みで家族連れも多い時期です。今度は声が枯れないように、と松本さん。

19のポセミンが生まれるまで

19か所の景色を描いたシリーズは、前回の収録のあとに生まれたもの。今回は実験をたくさんしたいと思っていて、試しにいろいろなテイストを描いていたら「これかわいい」と楽しくなり、もっと描きたくなった。画材屋さんでもパネルが手に入らず、困るほどだったそうです。

背景の色は、すぐに決まりました。まち歩きの日はずっと雨予報だったのに晴れて、雲に覆われた磐梯山がかえって神秘的でかっこよかった。最初はもっと爽やかな水色系になると思っていたけれど、「こっちだ」と思ったのだそうです。

タイトルは緯度と経度

19枚という数も、感覚で描いていったらそうなったもの。1枚だけ列からぴょんと飛び出しているのは、まち歩きのスタートで見た、雲に覆われた磐梯山です。並び順は、松本さんが歩いてシャッターを押した順番。

作品のタイトルは、場所の名前ではなく、緯度と経度。数字とアルファベットだけなので、どこを描いたのかは調べないとわからず、調べても抽象的に描いているので、同じ景色を見つけられるとは限りません。オレンジが多い作品は「猪苗代湖に沈む夕日ですよね」とよく聞かれるけれど、実は道端の花。見る人それぞれの想像が広がります。

どのポセミンが好き?

お客さんが指さす「好きなポセミン」は、驚くほどばらばら。りかさんご夫婦のお気に入りは、ピンク色に近く、こちらをじっと見てくる右下の子。輪郭がはっきりした左下の子が好き、という人も。隆志のお気に入りは、真ん中の列の左から3番目。ぜひ会場で、自分のお気に入りを見つけてください。

印象に残った一言

いい意味でギャラリー感が強くないっていうか。一緒につくってくれる感じがあるんです。

前後の回

出演者

  • 松本悠以:アーティスト、作家、畑の仕事をする人。「循環」「腐る喜び」をテーマに、ポセミンが登場する作品をつくる。Instagram
  • はな & 隆志:移動販売の珈琲屋「GALATA COFFEE」を夫婦で営む。ウルトラFM「サンライズすかがわ」月曜パーソナリティ
  • りかさん:猪苗代のギャラリーとセレクトショップ「空白(KUUHAKU)」店長