好きな色【あぶくま時報掲載】

あぶくま時報 column

先日、東京都庭園美術館で陶芸家「ルーシー・リー」の作品を鑑賞した。
昭和初期のアール・デコ様式が醸し出すモダンな美しさと、邸宅だった頃の上質な暮らしや温かさが感じられる東京都庭園美術館。
その空間に、ルーシー・リーの作品が、背筋をすっと伸ばすように優雅にたたずんでいた。
彼女の作品は、優雅なフォルムや独創的な文様、そして釉薬によって生み出される豊かな色彩で多くの人々を魅了し続けている。
無論、私も彼女の豊かな色彩に魅了された一人だった。
琥珀色に輝くカップ&ソーサー。透明感のある素材に琥珀色の美を感じることはあるが、このカップ&ソーサーは、丸みを帯びた重厚感のある陶器が琥珀色に輝いていた。
私は、琥珀色が好きだ。
そして、生成色のベースに茶色の縁取りが施された薄手の器。
繊細なフォルムと力強いアースカラー(茶色・生成色)の対比が美しい。
私は、茶色が好きだ。茶色がかった白=生成色も好き。
さらに心を奪われたのが、鮮やかなターコイズブルーと優しいピンクが共演する鉢。一見すると、主張が強すぎるのではないかと想像される色の組み合わせだが、不思議とスッと引き込まれる。こんなに楽しい色の組み合わせがあるのか。
GALATA COFFEEのテーマカラーも、私の誕生石の色も、ターコイズブルー。
私は、ターコイズブルーが大好き。ピンクが添えられたことで、その魅力がグッと増した。
人にはそれぞれ「好きな色」がある。
こんなにもワクワクさせてくれるこの概念は、どうやって構築されるのだろうか。
私たちが色から受け取っている「楽しみ」は、想像以上にたくさんあって、色に心を躍らされている。
とくにこの秋の季節は、稲穂の黄金色、紅葉の赤や黄、柿の橙色、栗の茶色、秋晴れの澄んだ空の色など、柔らかく深みのある色に包まれる。
色あふれる秋の季節を楽しみながら、私は今日も、ターコイズブルーの看板のGALATA COFFEEで、琥珀色に輝く一杯の珈琲を淹れる。

(沢田はな)

あぶくま時報 火曜コラム(紙面掲載2026年10月20日)